膵・胆管合流異常の新たな展開 ―概念、疫学、診断、治療の総点検―

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監修:高田 忠敬

編集:青木 達哉・土田 明彦

ISBNコード:978-4-87151-409-5

発行年月日:2011年11月17日

サイズ・頁数:A4版・178頁


[目次]

I. 発生と病態
  1. 膵・胆管合流異常の発生論(安藤 久實)
    1. 膵・胆管合流異常の発生論
      1. 大井の説
      2. 松本,須田らの説
      3. Wongらの説
      4. 田中の説
      5. 安藤の説
  2. 合流形式と分類(石原  慎,他)
    1. 合流形式の分類
      1. 胆管と膵管の合流形式に着目した分類
      2. 共通管や副膵管の拡張に着目した分類
  3. 胆管拡張の定義―術中胆管径の測定(藤井 秀樹)
    1. 術中胆管径の測定
      1. 対象
      2. 方法
      3. 結果
      4. 考察
    2. 先天性胆道拡張症の形態
      1. 胆道の発生
      2. 発生学からみた先天性胆道拡張症の特徴
  4. 胆管拡張の定義―超音波による測定(濵田 吉則)
    1. なぜ胆管径の定義が必要なのか?
    2. 小児胆管径の測定
    3. 小児胆管径の基準値
    4. 小児における胆管拡張の定義
    5. 成人における胆管拡張の定義
    6. 胆管径の定義に基づく治療方針
  5. 小児における膵・胆管合流異常の病態(文野 誠久)
    1. 膵・胆管合流異常の診断基準
    2. 膵・胆管合流異常と胆道拡張
    3. 膵・胆管合流異常の臨床症状
    4. 膵・胆管合流異常の相互逆流
    5. 膵・胆管合流異常と胆道上皮異常
  6. 成人における膵・胆管合流異常の病態(竹下 信啓,他)
    1. 膵・胆管合流異常の病態
    2. 膵・胆管合流異常と胆道癌
  7. 膵・胆管合流異常における諸問題(土田 明彦,他)
    1. 膵・胆管合流異常の診断
      1. Oddi括約筋と合流部の関係
      2. 共通管の長さ
    2. 拡張と非拡張の境界
    3. 非拡張型に対する外科治療
      1. 非拡張に対する治療方針
      2. 胆嚢摘出後の問題点
      3. 肝外胆管切除後の問題点
      4. 境界領域の症例に対する治療方針
    4. 相対的狭窄を伴う戸谷IV-A型の治療方針
II. 診断
  1. 診断基準と診療ガイドライン(神澤 輝実,他)
    1. 膵・胆管合流異常の診断基準
      1. 定義
      2. 病態
      3. 診断基準
      4. 補助診断
    2. 膵・胆管合流異常の診断基準の問題点
      1. レ線学的診断
      2. MRCPによる診断
      3. 胆汁中膵酵素の上昇
      4. 膵胆管高位合流
    3. 膵・胆管合流異常の診療ガイドライン
  2. 画像診断
  3. 1) US, EUS, IDUS(廣岡 芳樹,他)
    1. 体外式超音波検査(US)
      1. USによる膵胆管合流異常部位の直接描出
      2. 胆嚢壁肥厚所見
      3. カラードプラ断層法
    2. 超音波内視鏡検査(EUS)
    3. 管腔内超音波(IDUS)
  4. 2)CT(高屋敷 吏,他)
    1. MDCTによる膵・胆管合流異常診断の実際
      1. MPR画像再構築による膵・胆管合流部の描出
      2. DIC-CTによる胆道 3次元立体画像構築
    2. CT検査の欠点と他検査との比較
  5. 3)膵・胆管合流異常の ERCP像(祖父尼 淳,他)
    1. 膵・胆管合流異常の診断
    2. 膵・胆管合流異常の ERCP像
      1. ERCPによる診断
      2. 造影時の留意点
      3. 膵管胆管合流形態
      4. その他の特徴
      5. 胆道形態
    3. 膵管胆管高位合流
  6. 4)MRCP(崔  仁煥)
    1. 疾患の概念と病態
    2. 膵・胆管合流異常に対する MRCPの正診率
    3. 膵・胆管合流異常の診断における MRCPとその他の検査法
    4. 潜在的膵液胆道逆流現象と MRCP
    5. 胆嚢・胆管内の胆汁中アミラーゼ値と胆道癌発癌リスク
  7. 5)バーチャル内視鏡(永川 裕一,他)
    1. 胆道造影 CT
    2. バーチャル胆道内視鏡
    3. 動脈と門脈を fusionさせたバーチャル胆道内視鏡
    4. 症例呈示
    5. 考察
  8. 3.出生前診断(漆原 直人)
    1. 出生前診断例
    2. 診断
      1. 胎児画像診断
      2. 胆管拡張形式
      3. 出生後の臨床症状と検査
      4. 胆道閉鎖症との鑑別診断
III. 合併病変
  1. 小児における合併病変(金子健一朗)
    1. 蛋白栓説Protein plug theory
    2. 胆管炎・胆石・膵炎
    3. 蛋白栓形成機序
  2. 成人における合併病変(新井田達雄,他)
    1. 成人における合併病変(癌を除く)
    2. 考察
IV. 胆道発癌
  1. 全国集計からみた発癌頻度と特徴(森根 裕二,他)
    1. 全国集計の概要
    2. 全国集計からみた癌発生頻度とその特徴
      1. 癌合併の局在と頻度
      2. 胆道癌の局在部位
      3. 胆道癌の合併年齢
      4. 胆道癌と胆道内アミラーゼ値
      5. 胆道癌合併の年代別比較
    3. その他の膵・胆管合流異常合併胆道癌の特徴
  2. 胆道病理と分子生物学的異常(粕谷 和彦,他)
    1. 合流異常の胆嚢粘膜
      1. 過形成(hyperplasia)
      2. 異形成(dysplasia)
      3. 胆嚢癌(carcinoma)
    2. 膵・胆管合流異常の胆管粘膜
      1. 症例
  3. 胆道発癌モデル(田島 義証,他)
    1. 胆道癌誘発ハムスター合流異常モデル
      1. 実験モデルの作製法
      2. 合流異常モデルにみられる胆道上皮の変化
      3. 誘発胆道癌
      4. 遺伝子の変化
      5. 胆道発癌の chemoprevention
    2. その他の動物実験モデル
      1. 共通管不完全狭窄モデル(ラット,ハムスター)
      2. ヒト膵液胆嚢内注入モデル(ハムスター)
      3. 膵管胆道吻合モデル(犬)
V. 治療
  1. 外科治療の基本方針と問題点(猪股裕紀洋)
    1. 外科治療の基本方針を定めるべきポイント
    2. 小児患者での基本方針と問題点
    3. 成人患者での基本方針と問題点
    4. 分流手術後の発癌について
    5. 分流手術術後の合併症をふまえた基本方針と問題点
      1. 早期合併症の頻度,予防対策,治療
      2. 晩期合併症の頻度,予防対策,治療
      3. 蛋白栓の処理
  2. 全国集計からみた外科治療(島田 光生,他)
    1. 全国集計について
    2. 膵・胆管合流異常症に対する術式選択
      1. 膵・胆管合流異常における術式のコンセンサス
      2. 術式の詳細(分流手術の有無と分流術式)
  3. 胆管拡張例に対する肝臓側胆管処理(土岐  彰)
    1. 総肝管の切離
    2. 肝門部肝管形成
      1. 症例
    3. 肝管分枝異常に対する肝管形成
      1. 異所性右肝管後枝
      2. 肝門部肝管低位合流
      3. 異所性右肝動脈
      4. 極小肝管
    4. 胆道再建法
  4. 胆管拡張例に対する膵臓側胆管処理(森 隆太郎,他)
    1. 遺残胆管からの発癌の機序および本邦報告例
    2. 当科における膵臓側胆管処理の実際
    3. 当科における術後成績および長期合併症
  5. 胆管拡張例に対する腹腔鏡下手術(山高 篤行,他)
    1. 手術手技
      1. 体位・トロッカーポジション
      2. 拡張胆管の剥離
      3. 術中胆道鏡
      4. Roux-en-Y空腸脚の作成
      5. 総肝管空腸吻合
  6. IV-A型拡張症に対する治療方針(大谷 和広,他)
    1. IV-A型拡張症の診断基準とその問題点
    2. IV-A型拡張症における胆管狭窄
    3. 手術の実際
      1. 皮膚切開
      2. 胆嚢の遊離
      3. 肝外拡張胆管の剥離
      4. 膵臓側胆管処理
      5. 肝臓側胆管処理
      6. 胆道再建
    4. 治療上のcontroversy
      1. 胆道再建法
      2. 肝切除
      3. IV-A 型に対する腹腔鏡下手術
    5. 術後合併症とそれに対する治療
      1. 肝内結石
      2. 発癌
  7. 胆管非拡張例に対する治療方針 ―胆管切除の立場から―(関戸  仁,他)
    1. 胆管非拡張の定義
    2. 胆管非拡張例における胆管癌の合併頻度
    3. 膵・胆管合流異常における胆管の発癌Potencial
    4. 胆管非拡張例における胆管切除範囲
      1. 肝側切離
      2. 膵側切離
    5. 胆管切除の適応
    6. 胆管切除後の合併症
      1. 逆行性胆管炎
      2. 分流手術後の胆道発癌
  8. 胆管非拡張型膵・胆管合流異常に対する治療方針 ―胆管非切除の立場から―(太田 岳洋,他)
    1. 自験例の概要
    2. 対象と方法
      1. 臨床症状
      2. 術式選択
      3. 病理組織学的検討
      4. 術後経過
    3. 考察
  9. 先天性胆道拡張症手術の長期合併症について(大塚 英郎,他)
    1. 術後合併症
      1. 吻合部狭窄
      2. 肝内結石
      3. 術後膵炎
  10. 胆管切除後の発癌―肝臓側胆管―(味木 徹夫,他)
    1. 報告例の概要,分流術後の癌発生の頻度
    2. 肝臓側胆管からの発癌例
    3. 発癌に関与する因子
    4. 症例提示
  11. 胆管切除後の発癌―膵臓側胆管・膵臓―(久保 正二,他)
    1. 肝外胆管切除後膵内遺残胆管癌の本邦報告例
    2. 肝外胆管切除後膵癌の本邦報告例
    3. 肝外胆管切除後膵内遺残胆管癌や膵癌の発癌機序
    4. 遺残胆管癌や膵癌からみた膵・胆管合流異常に対する手術と予防策