書籍-救急・集中治療

7つの病態から考える 実践 腹部救急診療
7つの病態から考える 実践 腹部救急診療 編著:磯谷 正敏

定価:本体6,000円+税
ISBNコード:978-4-86517-322-2
発行年月日:2019年6月15日
サイズ・頁数:B5判・190ページ

[商品説明] 腹部救急疾患を見逃さない! ために,本書は腹部救急診療の基本的事項を網羅するとともに,4つの特徴があります。
 1.本書を貫く基本的な枠組みとなっている「RUPTURE IN O(V)PE PANIC 」の標語で,腹部救急疾患の7 つの病態を提示しました。2.病態あるいは疾患に特異的な腹部単純X 線写真やCT 画像を多く供覧しました。CT 所見はQ & A 様式で解説しています。3.本書は本文とともに多くのコラムから成っています。「症例」では,著者が経験した21 の症例を提示しました。「症例」を通じて各病態の理解を深める手助けとしてください。4.画期的な最新の診療指針である急性膵炎診療ガイドライン,急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン,急性腹症診療ガイドラインを随所に引用しました。
 本書は,今日から腹部救急診療の実践力がつく内容となっています。主に研修医や若手外科医を対象としていますが,広く一般臨床医家にも読んでいただき,腹部救急疾患への理解をより深めていただければ幸いです。
[目次]
PART 1 腹部救急疾患の概要
CHAPTER 1 病態の分類と疫学 1
  1. 腹部救急疾患の定義
  2. 腹部救急疾患の病態分類
  3. 緊急処置対応と病態
  4. 緊急手術例における疾患群の時代推移と頻度,疾患の内訳
  5. 最近5 年間の腹部救急疾患手術例2,056 例の概要
    1. (1)病態別の頻度
    2. (2)病態別の疾患の内訳
    3. (3)病態・疾患別の手術死亡率
CHAPTER 2 腹部臓器と疾患
  1. 腹部臓器と疾患
    1. (1)血管系
    2. (2)消化器系
    3. (3)婦人科系
    4. (4)泌尿器系
        一口メモ:付属小体捻転
    5. (5)その他
        一口メモ:被包性腹膜炎・被嚢性腹膜硬化症
  2. 主な解剖学的異常と疾患
    1.   一口メモ:外国名が冠されたヘルニア
  3. 腹痛の部位と疾患
    1. (1)心窩部
        ミニ知識:急性冠症候群
    2. (2)右上腹部
    3. (3)左上腹部
    4. (4)右下腹部
    5. (5)臍周囲
    6. (6)左下腹部
    7. (7)臍下部
    8. (8)腹部全体
    9. (9)場所の移動があるもの
PART 2 腹部救急診療[総論]
CHAPTER 3 診療のfirst step
  1. バイタルサインに異常がある場合の初期対応
    1.   ミニ知識:Advanced triage
    2.   ミニ知識:超緊急心・肺疾患の心電図
  2. バイタルサインに異常がある疾患の処置法
    1.   【基礎知識】敗血症性ショックとDIC
    2.   (1)敗血症性ショック
    3.   (2)敗血症とDIC
CHAPTER 4 診療のsecond step
  1. 年齢,性の確認
  2. 既往歴・嗜好・内服薬などの聴取
    1. (1)内服薬/嗜好と疾患
    2. (2)既往歴/妊娠と疾患
        ミニ知識:伝染性単核球症
        ミニ知識:コレステロール結晶塞栓症
  3. 現病歴・臨床症状
    1. (1)発症様式,腹痛の性質,誘因
    2. (2)軽快,増悪因子
        ミニ知識:メッケル憩室
    3. (3)放散痛や関連痛の有無
    4. (4)随伴症状
    5. (5)時間経過
  4. 身体所見
    1. (1)視診
        ミニ知識:腹部コンパートメント(区画)症候群
    2. (2)聴診
    3. (3)打診
    4. (4)触診
    5. (5)身体テスト
    6. (6)直腸診
        【基礎知識】内臓痛と内科的腹痛
      1. (1)内臓痛
      2. (2)内科的腹痛
  5. 各種検査
    1. (1)画像検査
        ミニ知識:外傷性横隔膜ヘルニア
        一口メモ:Chilaiditi 症候群
        ミニ知識:特徴的な腹部単純X 線所見を呈する疾患
      1. (1)巨大な大腸ガス像
      2. (2)Sentinel loop sign とColon cut-off sign
      3. (3)右側腹部に線状・樹枝状に広がる石灰化像
        一口メモ:緊張性気腹
    2. (2)血液生化学検査
        臨床研究 絞扼性腸閉塞の鑑別診断:血液ガス分析
    3. (3)尿検査
        ミニ知識:腹痛に対する鎮痛薬使用
CHAPTER 5 超音波検査
  1. 腹部超音波検査の基本
    1. (1)プローベマーカーとスクリーンマーカー
    2. (2)ボディマークの表示
  2. ABCD が不安定な場合の検索目標
    1. (1)心嚢・心臓,下大静脈のチェック
    2. (2)大動脈のチェック
    3. (3)FAST
    4. (4)肺のチェック
        一口メモ:肺の超音波検査でのbat sign とB ライン
  3. バイタルサインが安定している場合の検索目標
    1. (1)SMA のチェック
    2. (2)肝臓
    3. (3)胆嚢
    4. (4)胆管
    5. (5)膵臓
    6. (6)脾臓
    7. (7)腎臓
    8. (8)膀胱
    9. (9)虫垂
    10. (10)小腸
    11. (11)結腸
    12. (12)子宮・卵巣
    13. (13)精巣・精巣上体・付属小体
CHAPTER 6 特異的CT 所見
  1. 「破裂」(「RUPTURE」)
    1.   ミニ知識:非外傷性脾破裂をきたす疾患と破裂のメカニズム
  2. 「炎症/感染」(「IN」flammation/「IN」fection)
  3. 「閉塞/捻転」(「O」bstruction/「V」olvulus)
    1.   ミニ知識:ヘルニア嵌頓の様式
    2.   ミニ知識:子宮広間膜裂孔ヘルニア
    3.   ミニ知識:腸重積症
    4.   ミニ知識:輸入脚閉塞症
    5.   一口メモ:腸石と腸閉塞
    6.   ミニ知識:腸管子宮内膜症
    7.   一口メモ:Haines の4 徴
  4. 「穿孔/穿通」(「PE」rforation/「PE」netration)
    1.   一口メモ:Dirty mass sign
    2.   ミニ知識:膀胱破裂と偽腎不全
    3.   ミニ知識:急速に進行する軟部組織感染症
  5. 「急性膵炎」(「PA」ncreatitis)
  6. 「壊死/虚血」(「N」ecrosis/「I」schemia)
    1.   ミニ知識:Smaller SMV のメカニズム
  7. 「急性胆管炎」(「C」holangitis)
  8. その他
    1.   ミニ知識:門脈ガス血症と腸管嚢胞様気腫症
CHAPTER 7 腹部救急診療の盲点
  1. 位置異常による急性虫垂炎
  2. 腸閉塞の腹部単純X 線所見
    1. (1)単純性小腸閉塞
        ミニ知識:Entero-systemic cycle
    2. (2)絞扼性小腸閉塞
    3. (3)大腸閉塞
    4. (4)機能性・麻痺性イレウス
        ミニ知識:小腸閉塞と麻痺性イレウスにおける腹部単純X 線像の相異
  3. 症状がマスクされる高齢者やステロイド薬服用者などでの腹痛
  4. 術後早期に発症する腹部救急疾患
PART 3 腹部救急診療[各論]
CHAPTER 8 病態分類と特徴
  1. 病態分類を「RUPTURE IN O(V)PE PANIC 」(ラプチャー インオペ パニック)と記憶する
  2. 病態区分のグループ化の根拠
  3. 腹部救急疾患の病態と特徴
CHAPTER 9 ’卜
  1. 「破裂」の病態の概要
  2. 代表的な疾患の留意点
    1. (1)腹部大動脈瘤破裂
    2. (2)大動脈解離
    3. (3)内臓血管動脈瘤破裂
    4. (4)肝癌破裂,肝細胞腺腫破裂
    5. (5)食道破裂
    6. (6)異所性妊娠
    7. (7)黄体嚢胞破裂
    8. (8)卵巣腫瘍破裂
    1. 症例1 78 歳・女性
    2. [考察] SAM による回腸動脈瘤破裂
        一口メモ:正中弓状靭帯圧迫症候群と内臓動脈瘤
    3. 症例2 生後3 日・男児
    4. [考察] 腫瘍内出血をきたし,生後3 日目に緊急手術を行った肝芽腫
    5. 症例3 58 歳・男性
    6. [考察] 胃切除後早期に発症した食道破裂
CHAPTER 10 炎症/感染
  1. 「炎症/感染」の病態の概要
  2. 代表的な疾患の留意点
    1. (1)急性虫垂炎
    2. (2)急性胆嚢炎
    3. (3)結腸憩室炎
    4. (4)肝膿瘍
    5. (5)脾膿瘍
    6. (6)大網膿瘍
    7. (7)特発性細菌性腹膜炎
    8. (8)PID
    9. (9)子宮留膿腫
    10. (10)腎盂腎炎
    1. 症例4 63 歳・男性
    2. [考察] 骨盤内虫垂の穿孔性腹膜炎
      1. <私はこうする> 開腹虫垂切除術における留意点
      2. (1)創感染への配慮
      3. (2)的確な術中診断
      4. (3)虫垂断端の処理
      5. ミニ知識:虫垂腫瘍と腹膜偽粘液腫
      6. (1)虫垂腫瘍
      7. (2)腹膜偽粘液腫
    3. 症例5 73 歳・男性
    4. [考察] 膵液の胆嚢内逆流による急性無石壊疽性胆嚢炎・胆汁性腹膜炎
      1. (1)本症例の成因と診断の留意点
      2. (2)急性無石胆嚢炎の成因
        1. <私はこうする> 開腹胆嚢摘出術のコツと注意点
        2. 一口メモ:腹腔鏡下胆嚢摘出術でのCVS
    5. 症例6 46 歳・男性
    6. [考察] 肝内結石による肝外側区被膜下のmicro-abscess 穿破による汎発性腹膜炎
    7. 症例7 46 歳・男性
    8. [考察] 肝硬変に合併したConn 症候群
    9. (1)特発性細菌性腹膜炎
      1. 1)Conn 症候群
      2. 2)原発性肺炎球菌性腹膜炎
      3.   ミニ知識:腸間膜脂肪織炎と脂肪垂炎
        1. (1)腸間膜脂肪織炎
        2. (2)脂肪垂炎
CHAPTER 11 J頂鼻診嬰
  1. 「閉塞」の病態の概要
  2. 「閉塞」の病態の代表的な疾患の留意点
    1. (1)大腸閉塞
    2. (2)絞扼性小腸閉塞
    3. (3)単純性小腸閉塞
  3. 「捻転」の病態の概要
  4. 「捻転」の病態の代表的な疾患の留意点
    1. (1)胃軸捻
    2. (2)小腸軸捻
    3. (3)虫垂粘液嚢腫捻転
    4. (4)結腸軸捻
    5. (5)胆嚢捻転
    6. (6)脾捻転
    7. (7)副脾茎捻
    8. (8)大網捻転
    9. (9)卵巣腫瘍捻転
    10. (10)精巣捻転
    11. 症例8 76 歳・女性
    12. [考察] 大腸癌による大腸閉塞に合併し,劇的な経過を辿った閉塞性大腸炎
    13. (1)腸閉塞をきたす大腸癌
    14. (2)閉塞性大腸炎
    15. (3)Aeromonas hydrophila 感染症
        一口メモ:Oncologic emergency
    16. 症例9 57 歳・女性
    17. [考察] 無ガス像を呈した絞扼性小腸閉塞
      1. 臨床研究 絞扼性小腸閉塞における拡張腸管内貯留液のCT値
      2. ミニ知識:結節形成による腸閉塞
        1. <私はこうする> 腸閉塞の壊死腸管切除手技
        2. (1)壊死腸管切除時の腸間膜処理
        3. (2)拡張腸管の術中減圧法
        4. <私はこうする> 外ヘルニア嵌頓手術のコツ
        5. (1)還納困難な外ヘルニア嵌頓
        6. (2)傍ストーマヘルニア嵌頓
        7. 【基礎知識】癒着・索状物の成因と小腸閉塞の発生機序
        8. 1 癒着・索状物の成因
          1. (1)癒着の成因
          2. (2)索状物の成因
        9. 2 癒着・索状物による小腸閉塞の発生機序
          1. (1)索状物による絞扼性小腸閉塞
          2. (2)単純性小腸閉塞
          3. <解説> 単純性小腸閉塞の重症度診断:
            胃管からのガストログラフィンによる消化管造影
        10. 1 背景
        11. 2 胃管からのガストログラフィンによる消化管造影
          1. (1)方法
          2. (2)造影所見の分類
          3. (3)造影所見と重症度判定
        12. 3 ガストログラフィンによる消化管造影の利点と注意点
        13. 4 小腸閉塞の治療成績
        14. ミニ知識:アニサキス症
    18. 症例10 65 歳・女性
    19. [考察] 小腸軸捻による小腸閉塞
CHAPTER 12 だ孔/穿通
  1. 「穿孔」の病態の概要
  2. 「穿孔」の代表的な疾患の留意点
    1. (1)胃・十二指腸穿孔
    2. (2)大腸穿孔
  3. 「穿通」の病態の概要
    1. 症例11 5 歳・男児
    2. [考察]:幼児の十二指腸潰瘍穿孔
    3. (1)小児消化性潰瘍の成因
    4. (2)保存的治療の適応基準
    5. (3)小児の十二指腸潰瘍穿孔に対する手術法
      1. <私はこうする>十二指腸潰瘍穿孔に対する幽門形成術
      2. 一口メモ:消化管穿孔と鑑別を要する疾患
    6. 症例12 65 歳・女性
    7. [考察]:上行結腸癌の後腹膜穿通によって発症した右大腿部ガス形成性フレグモーネ
      1. 【基礎知識】腹部救急疾患による感染症と抗菌剤
CHAPTER 13 サ淦膵炎
  1. 「急性膵炎」の病態の概要
  2. 急性膵炎バンドル
    1. 症例13 72 歳・女性
    2. [考察]:落下結石により軽快した胆石膵炎
      1. 【基礎知識】軽症の胆石膵炎の成因と特徴
      2. (1)膵管閉塞・過分泌説:Obstruction-hypersecretion theory
      3. (2)胆石膵炎の血液生化学所見の特徴
    3. 症例14 55 歳・女性
    4. [考察]:重症胆道型の胆石膵炎
    5. (1)胆石膵炎における胆管炎スコア
    6. 症例15 37 歳・女性
    7. [考察]:十二指腸液の膵管内逆流によると考えられる重症膵型の胆石膵炎
    8. 症例16 68 歳・男性
    9. [考察]:胆汁の膵管内逆流によると考えられる重症膵型の胆石膵炎
      1. 一口メモ:膵胆管合流異常症と急性膵炎
      2. 解説 “重症”の胆石膵炎の分類と膵病変の重症化機序
  1. “重症”の胆石膵炎の分類
  2. 膵病変の重症化機序
    1. (1)共通管説:Common channel theory
    2. (2)十二指腸液膵管内逆流説:Duodenal reflux theory
    3. (3)その他
  3. 胆石膵炎の重症型はハイブリッド型
    1.   臨床研究 胆石膵炎における膵壊死性病勢の判定―経時的LDH/AST比
    2. 症例17 76 歳・男性
    3. [考察]: 術前の経時的LDH/AST 比を指標として壊死巣切除・大網充填・closed drainage を行った感染性膵壊死
      1. 【基礎知識】急性膵炎の改訂版アトランタ分類
      2. (1)形態分類
      3. (2)局所合併症
      4. (3)重症急性膵炎
      5. (4)注目点
CHAPTER 14 Σ死/虚血
  1. 「壊死/虚血」の病態の概要
  2. 代表的な疾患の留意点
    1. (1)急性腸間膜血管閉塞症
    2. (2)NOMI
    3. (3)虚血性腸炎と壊死型虚血性腸炎
    4. (4)静脈硬化性大腸炎
    5. (5)腎梗塞,脾梗塞
    6. (6)腎静脈血栓症
    7. (7)運動後急性腎不全
    8. 症例18 92 歳・女性
    9. [考察] 高血圧,慢性心不全のある超高齢者に発症したSMA 閉塞症
      1. ミニ知識:血栓症の種類と特徴
    10. 症例19 65 歳・女性
    11. [考察] 術後早期に発症したNOMI
      1. 臨床研究 NOMI の臨床病理学的検討
      2. <私はこうする>異常環境下での消化管吻合
      3. ミニ知識:運動後急性腎不全(ALPE)
CHAPTER 15 У淦胆管炎
  1. 「急性胆管炎」の病態の概要
  2. 急性胆管炎診療バンドル
    1. 症例20 71 歳・女性
    2. [考察] 十二指腸乳頭部嵌頓結石による急性胆管炎
    3. 症例21 69 歳・女性
    4. [考察] 胆石肝炎から進展した重症急性胆管炎
    5. 解説 胆石肝炎
    1. 定義と特徴
    2. 肝組織所見と胆汁中の細菌,血中エンドトキシン
      1. (1)肝の組織所見
      2. (2)胆汁中の細菌
      3. (3)血中エンドトキシン
    3. 病態
    4. 肝細胞壊死の成因
    5. 臨床的意義
      1. ミニ知識:高トランスアミナーゼ血症を呈する疾患:A new paradigm
      2. 一口メモ:HELLP 症候群
      3. <私はこうする>十二指腸乳頭部嵌頓結石に対する乳頭括約筋形成術
      4. 一口メモ:偽胆石
索 引
※ 著者・編集者名等が機種依存文字に該当する場合は、標準文字に変換し掲載しております。